すしざんまいの社長から見る経営者にとっての資質

すしざんまい社長がソマリアの海賊を撲滅させたという記事がネットでバズったかと思うのもつかの間、実はフェイクニュースだったと非難され、その記事を紹介したポータルサイトがその記事を取り消す顛末となった。

 

では実際のところ、すしざんまいの社長が全く関与していないことに対して自社の宣伝のために嘘八百を並べたかというと、それも違うのだ。

マグロ漁の方法は教える!漁船も私がすべて調達してまず4隻を持ってきて与える!もちろん、ソマリア国内にマグロの冷凍倉庫や流通設備は私が整えるし、そのマグロはすべて買い取る!そうすれば本来の漁師に戻れるだろ!」

 

これは社長の展望であって、実行出来たのは中古船を持ち込んでソマリア沖で取れたマグロを日本で提供する位のところに留まっているようだ。

付け足すと、中古船を持ち込んだ国はソマリアではなく隣国のジブチであるからソマリアの海賊とは関係ないようだ。

 

しかし、社長はソマリアジブチの区別がついていないのではないのか。またアフリカ大陸の政治状の深い理解など無かったのではないかと思う。

ただ単に漠然とした情報をもとに人助けをしたいという思いから直情径行的に隗より始めよとばかりに行動を起こしただけではないのだろうか。

 

というのは現実問題としてソマリアの海賊問題は官民一体となった取り組み、つまり国際社会の警備活動、産業を根付かせるにせよ途方もない根回しが必要となるなど、一民間企業が動いたところでどうこうなる問題では無いからだ。

 

すしざんまいの社長が曲がりなりにもコミットすることが出来たのも、頭でっかちにものを考える人では無いからだろう。

かつてホリエモンが考えて立ち止まるより行動を起こせるバカが成功すると述べていたが、すしざんまいの社長はそれに当てはまるのだろう。

 

 

 

今回の炎上騒ぎでもこれを奇貨とする手立てが無いわけではない

実際にかつて語ったようなことをすればよいだけだ。つまり、ソマリアで漁船を与えマグロの冷凍倉庫や流通設備を用意した上ですしざんまいが沖合で取れたマグロを買い取るという仕組みを構築すれば良いのだ。

官の努力により海賊が追いやられた今だからこそ、民が貢献できる余地が広がったのではないだろうか。

 

まさに「嘘からでた真」とも言えるだろうが、今でこそ偉人と崇められている経営者政治家であっても、はじめは虚言や大言壮語、ハッタリ等で注目や資金を集めた上で最後に帳尻を合わせたというのが実情ではないだろうか。

そのプロセスがバレなかったのは今のようにネットが無かったからだけであって。