"懲役30日  (世にも奇妙な物語)" を YouTube で見る

内容

俺は7人もの人を殺したが、下された刑は懲役30日であった。それはこの国では死刑が廃止されているからだ。それにしても、いかにも軽すぎるがまあよい、楽なもんだ。

 

一日目、目覚めると屋上に連れていかれ看守から過酷な拷問を受けた。なんでも自分に殺された人間へ共感を寄せ復讐の念もあるようだ。次の日も拷問は苛烈を極めて日を追う毎にエスカレートするばかりであった。疲労困憊になって独居房に戻ると俺は壁にナイフで正の字を刻んだ。釈放を夢見て。

 

地獄の日々が続き30日目今日さえしのげば刑務所の外では彼女が待っている。また屋上かと心の準備をしていたのだが、全く別の場所に連れていかれた。そこには椅子があり座れと命じられた。そして電極のついた帽子を被せられるや否や電流が流れだし気を失った。

 

ネタバレ

 

目覚めるとベットに横たわっており、頭には電極がつけられたままで、白衣を来た研究者らしき連中がまじまじと覗き込んでいる。今日で釈放のはずだが、彼らは首を横に振る。そういえば一日目が始まる前に丁度今と似たような光景を経験している。確かにこの研究室のような部屋、そしてあの壁時計に見覚えが。釈放しろと叫ぶと、まだ5分しか経っていないといわれ、壁時計を見るとその通りだ。では自分が受けた29日間の拷問の日々は何だったのだ。

 

政府は死刑制度を廃止する代わりに囚人に別のサンクションを考えた。それは仮想現実で拷問を体験させるのだ。だから囚人が頭の中で30日間耐え抜いたところで現実には5分間しか進んでおらず、懲役30日とは実質ほぼ永遠に拷問を受け続けるに等しいのだ。そこまでいくと現実に30日間の刑期に服した人間は出所後には自分の元彼女にすら気づかれない位廃人同様の風貌になってしまうのだった。


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