NHKから国民を守る党が迎えるジレンマ

ジャーナリストとしての立花孝志を知ったのはチャンネル桜でパチンコの特集が組まれた時であった。当人も一時期パチプロのようなことをやっていたようだ。その当時は威勢良く関西弁で話す論客だという印象しか無かった。
次に見かけたのかyoutuberとしてであった。NHKの集金人に対して喧嘩腰に挑んでいた。やはりその種の動画は刺激的な為、再生回数を伸ばし当人もyoutuberとしての収入を誇っていた。しかし、同時に現職の区議会議員であることを考えれば、やりすぎに思えた。そのため党そのものにとってマイナスであり支持者はこれ以上増えないと考えていた。

 

そのつかの間の今回の統一地方選挙で26名も当選しNHKから国民を守る党の所属議員が39名にものぼるというから驚きの他ない。
自分が選挙権を持っていない年齢だった時、タレント候補がなぜあれほど当選するのか理解に苦しんだ。好きであることと政治を任せられるかは全く別問題であるはずだからだ。つまり大人になると言うことは理性的判断ができる事と同義であると考えていた。しかし、現実はそうではないようだ。

 

こんな話を聞いたことがある。それはサラ金のCMというのはなぜ視聴者を馬鹿にしたようなものが多いかの理由である。例えば銀行のようになぜ堅めなものにならないのだろう、同じローンを扱っているのに。
制作者側によると、サラ金に手を出す人は利率の計算もしないようなタイプだから滑稽であればある程良く広告の色彩も原色で派手にし宣伝コピーも出来るだけシンプルなものにすると言う。つまり作り手ははなから対象であるお客さんを馬鹿にしているのだ。

 

NHKから国民を守る党の躍進も似たような話ではないのか。政策と言えばNHKをぶっこわせ位で、黄色と青の原色で彩られた旗をなびかせる。まさに理性よりも感情に訴え続けた選挙戦略が奏功したといってよいだろう。
ただしっぺ返しもくるはずだ。選挙戦ではNHKの職員は高給取りだというルサンチマンをあおっていたが、地方議員もその批判を逃れないからである。