凶悪犯罪者と我々の境界線


三菱銀行事件 1/2 - YouTube

 

未成年の犯罪が起こり少年法が俎上にのぼるとよく引き合いに出されるのが、三菱銀行人質事件の梅川昭美だ。

 

宮崎学がいっていたが劇場型犯罪の元祖ともいえる。事件の概要は、白昼に猟銃を持って銀行員を人質にとり立てこもり数日間警察とにらみ合い最終的には射殺された。

 

劇場型といわれるゆえんは犯人はブルースブラザ-ズのような帽子とダークスーツで身を包んでいたことにある。そして人質をもて遊び対峙する警察をからかい続けた。例えば女子行員を裸にさせて狙撃対策の肉の盾とし、男子行員の部下に上司の耳をそぎおとすよう命じるなど理解しがたいことをしていた。何か小説めいているようだが梅川自身、大藪春彦等のハードボイルド小説を愛読書としていたようだ。

当時テレビで生中継されていたらしいが、それをさらにセンセーショナルにした要素がある。犯人に命じられた行員である人質が建物の自動シャッターのボタンを押し、完全にし閉まる寸でのところで機転を効かせた警察官が放置自転車を投げ込み隙間を確保することできた。だから外部からはその間からしか中の様子を伺えないといったもどかしい状態が続いた。

犯人と警察のやり取りは電話が使われ、またその電話で友達にも連絡を取りテレビ中継によって有名人となった自分を誇示していたりもした。

 

梅川の経歴はマスコミ報道により知られることになったが、幼少期に両親が離婚し15歳の時には殺人を犯し少年院に収容されている。当時判決を下した裁判官は更正の見込みはないが少年法の保護によりやむをえないといった旨の言葉を残している。

確かに先天的に犯罪的気質をもった人間はいるのだろう、そしてそれは医学的な解決に任せるしかない。

しかし、多くは環境によるものではないだろうか。少年法が話題になると梅川同様に引用されるモデルがいる。ロス疑惑三浦知良で、彼も梅川ににた経歴を歩んでいる。彼は刑務所に長期間服役し出所して束の間また逮捕されている。それも本屋での万引きという非常につまらない罪でだ、なぜ頭のよいはずの三浦がそんな愚かなことをするのだろうか。

 

新聞報道によると、お金は持っていたが並ぶのが面倒でレジを通さず店外に出たということだ。

「面倒くさかったから」というのは、悪魔的な言葉だと思う。もし幼少期の頃から周囲の光景がそんなふうだったら、例えば駄菓子屋で店主が家の奥で用を足しており呼んでも出てこず、面倒で商品をそのまま拝借するというのが友達の間で横行していたら。朱に交われば、というが自分が染まらずにおれるかどうかは疑問である。